今回の会社法の大きな特徴の一つに、「商法第2編会社」商法特例法と有限会社法が統合され、会社の機関設計が柔軟に行えるようになったことです。
現行の株式会社では取締役会の設置は必須で、3名以上の取締役が必要でしたが、会社法では株式譲渡制限会社の場合、取締役会の設置は任意になります。これは有限会社(取締役会は不要)の廃止に対応したもので、取締役1名だけでも株式会社の設立が可能になります。
ただし、株式譲渡制限会社であっても、取締役会設置の場合は3名以上の取締役が必要になります。
取締役の任期は原則として2年ですが、株式譲渡制限会社の場合、定款の定めにより10年まで伸長することができます。
例えば役員の全てが家族や、信頼関係の厚い人で構成され、取締役の変動が長期間予想されない場合であれば、任期を伸長することにより役員変更登記の事務手続きや経済的負担を軽減することが可能です。
公開会社では監査役の設置が必須ですが、公開会社でない中小会社における監査役の設置は任意です。また監査役の人数は1名以上で足りますが、監査役会設置の場合は3名以上で、半数以上が社外監査役である必要があります。
監査役の監査範囲は業務監査と会計監査がありますが、株式譲渡制限会社(監査役会設置会社・会計監査人設置会社を除く)は、定款の定めにより監査範囲を会計監査に限定することができます。
監査役の任期は原則として4年ですが、株式譲渡制限会社の場合、取締役と同様に定款の定めにより10年まで伸長することが可能です。
株式会社は定款の定めにより会計参与を設置することができるようになります。会計参与とは、取締役等と共同して、計算書類とその附属明細書を作成することを職務とする人で、計算書類に関るさまざまな権限と義務を負っています。会計参与は公認会計士(監査法人)・税理士(税理士法人)でなければなりません。