平成18年の会社法の改正により「資本金1円でも会社が作れる。取締役が1名でも株式会社が作れる」のように以前よりも法人設立が容易になった事により、法人化した方がいいのか?
それともこのまま個人事業のほうがいいのか?お悩みになる事業主様も多いことかと思います。
私なりの法人成りした方がいいのか?しない方がいいのか?の結論は一概には答えられません。
理由はメリット・デメリット両方あり、事業主様の優先順位や方向性によって考え方が大きく異なるからです。
以下、法人成りのメリット・デメリットの一例を列挙致しますので、参考にしてください。
1. 消費税の2年間の免除(資本金1000万円未満が絶対条件)
2. 役員報酬(給与)の計上 給与所得控除の適用(一定条件のクリアが前提)
3. 減価償却の任意計上(個人事業の場合強制計上)
4. 繰越欠損金の繰越控除7年(個人は3年)
5. 生命保険料等の経費計上になる。(個人は最大10万円)
6. 退職金の支給が可能になる
7. 親族への労働の対価としての給与、資産の賃料の計上が可能
8. 決算期を自由に決定する事ができる。(個人事業は12月末決算)
9. ネームバリュー(対外的な信用度アップ)
決算期は意外と重要です。個人の場合は12月締め、3月15日が申告期限ですが、業種等によっては、3月は繁忙期であるため、決算について時間を有効に取る事ができません。
また11.12月は季節柄、利益が出やすい時期ですが、個人(12月締め)の場合ですと、儲かった利益の節税対策が打ちづらい事や、利益のプール期間が10月決算法人(12月申告)と比較すると半年以上異なる事です。
1. 均等割り(通常7万円)が、赤字でも発生します。
2. 事務的負担、書類の増加(個人事業以上に帳簿等の整備が必要です)
3. 設立登記費用の発生(概ね30万円)
4. 会計事務所への支払いが増加(当事務所基準でも15万増加)
5. 交際費の一部経費にならない(支払額の1割が経費から除外)
一般には、「登記申請」等は税理士業務外の為、連携する司法書士又は行政書士に依頼します。土屋は会社設立に関して、報酬は頂きません。もちろん、ご自分で会社設立をなさる方には設立の助言をいたします。
個人(所得税と住民税の合計は所得の金額によって15%から50%)
法人(法人税と地方税の合計で概ね30%~35%)
個人事業の場合5名未満の場合は任意加入、法人の場合は強制加入。しかし個人事業の場合、事業主様は加入ができません。法人の場合は加入できます。
個人所有の不動産等を法人へ譲渡しますと、個人に思わぬ税金が発生する場合がございます。ご注意してください。
① 法人成りの場合、経費がかかります。設立費用約30万円、毎年の維持費として約20万円増加です。これでエーーーとお考えの方はこのまま個人事業の継続をお勧めします。
※ 設立費用は司法書士、行政書士等に委託した場合です。また毎年約20万のアップは、法人県民税、市民税の均等割り7万円(赤字でも発生します)と、法人と個人の会計事務所の顧問料の差を合計したものです。
② 節税としての主なメリットは消費税の2年間免除、事業主様への給与支給による給与所得控除(経費の追加)、個人と法人の税率の相違です。
(個人事業の所得が800万円以上でないとメリットは少ないです)
③ 会社法の改正により法人設立が容易になり、以前ほどの外部信用力はありません。勝負は中身です。肩書きだけでの法人設立はあまり勧めません。
④ ③とは逆に今までは最低資本金の問題等により、なかなか法人を作れなかった。これを機に法人を作る。決意表明にする。いい考えだと思います。
⑤ 事業承継、相続対策としての法人設立もいいでしょう。(株式分散による可処分利益の振り分け、親族等への給与配分。土地等の相続税評価の減額等)
1. 登記申請書 *
2. 登録免許税納付用台紙
3. 登記用紙と同一の用紙
4. 定款 * (旧有限会社、取締役1名
で可能のパターン)
5. 印鑑届書
6. 株式払込金保管証明書 *
7. 株式の引受を証明する書類
8. 取締役会議事録
9. 取締役及び監査役の就任承諾書 *
10.代表取締役の就任承諾書
(3ヶ月以内の市区町村長の印鑑証明)
11.取締役及び監査役の調査報告書
12 .資本金の額の計上に関する証明書 *
13 .設立時取締役及び
本店所在場所決議 *
*印の書式は、PDFファイルをダウン
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